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敬老の日とウズベキスタン
9月の第3月曜日は敬老の日。いつもは見過ごしていた、にっこり笑顔の小物に目がとまった。冷蔵庫に磁石で張り付いていた“おじい人形”。ウズベキスタンに行ったとき、地元の人からもらったもの。民族衣装を着て帽子を被った、彼の地のアイコンのような焼... -
天空のギフト
先月8月最後に、夜空に「スーパームーン」が輝いた。 うっすら雲がかかっていたものの、見事な月明かり。「スーパームーン」は、地球から最も遠い時の月と比べると14%も大きく見えるという。そして今回はそれも「スーパーブルームーン」。ひと月に2回の... -
タンボール・ヂ・クリオーラ〜魂の鼓動
ただ、一度しか見ていないのだけれど、記憶に残りつづけるものがある。その一つがブラジルの「タンボール・ヂ・クリオーラ/tambor de crioula」、北東部マラニャン州サン・ルイスで見た伝統的なパフォーマンス。 マラニャン州というと、今では、広大な白... -
岩に顔をみる〜パレイドリア現象
冒頭の写真は、何に見えるでしょうか? 「はばたく鳥」みたいですよね。 次の写真はどうでしょう? 2つの岩…… なんだか、顔が向き合っているみたい。撮影したときも、あとから見ても、まるで、にらめっこしているように見えてしまう。 では、次はどうで... -
見えない小さな虫たち
イチッ! 足先に走る鋭い痛み。みると、足の指に頭がでかいアリが食らいついている。足を振っても、ちょっとやそっとでは落ちない。なんとか引き離したものの、しばらく痛みが残った。南米アマゾンの奥地。噛まれるとものすごく痛いという、3センチほ... -
グレーゾーンの記憶〜 80年代、西新宿都市風景
古い写真を整理していたら、80年代のモノクロプリントが出てきた。西新宿界隈のもの。初めてカメラを買い、写真を始めたばかりのころのスナップ。 いまの都庁のあたりは、当時はまだ空き地で、風通しのいい空間があった。ジャズの路上ライブ、少年野球... -
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その3:ブラジルって、いいな 〜 日々の暮らしから
*写真絵本『世界のともだち3 ブラジル』の簡略紹介 *『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して*『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その2:ブラジルって、いいな〜学校と教育から ブラジルの「いいね」はいろい... -
「ああすればよかった」〜撮影以前の大切なこと
撮影や取材にのぞむにあたって、いろいろと手はずがある。海外の場合には、言葉の問題から、情報収集に通信や交通、リスク対策、そして、現場でのもろもろ調整にと、あれやこれやと。事前の計画だって急に変わることも多い。何度か足を運んだところであ... -
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その2:ブラジルって、いいな〜学校と教育から
*写真絵本『世界のともだち3 ブラジル』の簡略紹介 *『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して リオの小学生の一年に寄り添って撮影取材した写真絵本『世界のともだち 3 ブラジル』。その主人公... -
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して
*写真絵本『世界のともだち3ブラジル』の簡略紹介はこちら ブラジルの小学生を取材するにあたって、最初わくわくした。それまでに出会った、人懐っこく好奇心いっぱいの目を向けてくる子どもたち。彼らの無邪気な笑顔が浮かんだからだった。それからい... -
視線入力でシャーマンを撮影 〜 90年代アマゾンの森
日が落ちて、あたりはすっかり闇に包まれた。どこからか聞こえるせせらぎと、虫の音が体に溶け込んでいく。ペルーアマゾンの奥まった村から、さらに入った森の片隅。呪術師とその家族が儀式をするというので、たのんで同行させてもらい、撮影にのぞんだ... -
ピエロがつむぐ“ユーモア”と“人間”〜 その2 AIと学ぶ“人と大地のつながり”
【】 前編<ピエロがつむぐ「ユーモア」と「人間」〜その1:道化師フェスの“極み”>のつづき… リオの街角でばったり出くわしたピエロの一団。彼らが掲げていたプラカードの一つに“Humus、Humor、Humanidade”というポルトガル語が並んでいた。この3つの... -
ピエロがつむぐ“ユーモア”と“人間”〜その1 道化師フェスの極み
真っ赤なブチブチとした球体が連なって、なにやら漂っている。その一つがひときわ大きく突き出でているのが、まるで巨大なタコのようにも見える。リオのセントロ地区、石造りの歴史ある建物を前に、派手に浮き出ているから大目立ちだ。 近づいてみると... -
リオの街で出あったちょっとした“Amor(love)”
明るい日差しがふり注ぐ通り。波音を聴きながら、イパネマからコパカバーナへとつづくビーチ沿いを歩いていると、ピンクのプラカードを掲げる女子がいた。「アブラッソス・グラッティスAbraço Gratis」。つまりフリー・ハグ。このフリー・ハグのムーヴメ... -
「夢を解き放とう」〜リオのストリートアートから
リオの下町を歩いていたとき、通りに面した壁に、ひときわ目を引くものがあった。色鮮やかなデザイン、さらに、あれ?っと目をとめる文字が。「夢を解き放とう」(Liberte seus sonhos)。そして、その下には、その呼びかけに応えるかのように、誰かしら... -
東ティモール断章 2012 〜 独立から10年
紛争直後2000年、撮影取材をした東ティモール。それから12年後、東ティモールを再訪した。この年は、独立をめぐり紛争となったインドネシアから、独立を果してちょうど10年のときだった。 首都ディリの早朝。まだ静かな街路を、駐在している国連軍の人... -
生き物いろいろ in ペルーアマゾン 〜 国際生物多様性の日にちなんで
新緑まぶしく、風薫る5月… 下旬に入って、22日が「国際生物多様性の日」だと知った。なんでだろう… 調べてみると、「1992年5月22日に生物多様性条約の本文が生物多様性条約交渉会議において採択されたため」だという。国連が定めた国際デ... -
東ティモール紀行 in 2000年 〜 回想メモ
21世紀に初めて生まれた国、東ティモール。インドネシアからの独立をめぐる争乱の末、独立してから今年で21年。紛争直後の2000年、復興と新しい国づくりに向かう細長い国土の東西を歩いた。その回想録から… ターコイズブルーに縁取られた島々を、... -
リオで開催された地球サミット“ECO92”の寸景、そして、この30年
大勢の人々が見守る中で、高まる熱気。壇上に一人の人物が立つと、会場の空気がひとつになった。世界の平和のために、ともに祈る。世界からさまざまな宗教者たちが集った祭典のまさにハイライト。聴衆はダライ・ラマの言葉に耳を傾けた。 今から30年ほ... -
“シチズンシップ”寸景 〜 リオのデモやスラムでのプロジェクトから
デモにみる市民のパワー バッバッバッバッ…… 夜空に爆音を響かせて、ヘリが飛んでいる。パーン! つづいて起伏の多いリオの下町にこだまする乾いた音。「今夜は外に出ない方がいい」宿主が言った。デモをする人たちと軍警察との間でひと騒動ありそう... -
リオのスラム寸景〜その1「幸せを分かちあおう」
輝く太陽と青い空、ビルの街並みにつづく白浜のビーチ。岩山に立つキリスト像が両手を広げ、人々を受け入れるリオの街。亜熱帯の緑がさざめき、白く光るビル群のかたわらには、レンガ色の家々がぎゅっと積まれたように並ぶ。その対照的な景観は街の風物... -
撮影余話 〜 写せなかった”ワンダー”
これまで、逃したシャッターチャンスは数えきれない。ああ、いい! そう思ったそのときに肝心の機材がない。そのイメージにぴったりくるレンズや、三脚だったりストロボだったり、そもそものカメラが手元にないなんてことも。そんなときはイメージでシ... -
万物流転 〜 消えゆく砂丘
海岸にそって、はるか彼方へと連なる砂丘。遠浅の浜から聞こえてくる波の音、潮の香に包まれながら、砂山に上る。渡る風に身をさらし、ただ波の音を聞く。この自然に溶け込んでいくことの至福を味わう。なだらかな斜面に、大きく影を落としながら流れい... -
撮影余話〜道中の親切@アマゾン、アジア、アフリカにて
「どこへ行くの?」小さな女の子が、どこからともなく現れて、声をかけてきた。ペルーアマゾンの村はずれ、野道に迷っていたときのことだった。村の治療師の家に居候させてもらいながらの撮影取材中、治療師が行くところについて回っていた。だけれど、...
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