国際森林デーに想う〜アマゾンの森とセンス・オブ・ワンダー

3月21日は国際森林デーだという。2013年の国連総会によって決議された国際デー。今年は木曜日だったこともあり(#tbt=throwback Thursday)、これまで足を運んだアマゾンを思い出しながら想いをはせた。

いろいろな樹木の息遣いが濃密に感じられる森、雨上がりの蒸かえる湿気に包まれた低地林、霧におおわれた高度のある密林… 息をのむ光景の一つは、上空から見た緑の大地。果てしなく広がる森の大地。細部に目をこらすと、浮かびあがる繊細な彩りに濃淡。アマゾンの森の上にいるという感慨がさらに気持ちを押し上げる。

森のなかでは、さまざまな自然の営みが太古より命をつないでいる。その大気につつまれると、毛穴から何かがしみいって細胞が目覚めていく。そんな心地すらもする。人類学者によると「人という種は、熱帯林から生まれた」という。遺伝子にくみこまれている何かがあって、それが目覚めることがあるのかもしれない。

90年代、奥地へと足を運ぶようになると、人間も自然の一部だという言葉が体になじんだ。大地に暮らす先住民の文化にも共感が深まる。けれども、同時に目の当たりにしたのは、森林伐採や鉱山開発で荒らされた森、油田のための掘削や川の汚染… 行く先々で、母なる大地が壊される景観は、まるで映画「アバター」のシーンとも重なる。
 

2010年、ペルーアマゾンを再訪。そこでは北部地域が資源開発計画で埋めつくされているという報道を目にした。その一方、2018年、ネット上で思いがけない記事に出あう。ペルーが国として初めて、先住民の自決権と集団的土地所有権を認めたというものだった。

近年、問題が深刻化していたブラジル熱帯林の消失。それが、今年初頭、BBCの報道によると、ブラジルのアマゾン熱帯林消失は昨年より50%減ったという。これは前政権で激増していた熱帯林消失が改善されたというもの(ただし、中西部サバンナ高原に広がるセハード地帯では逆に40%増加したらしい)。移行した新政権の成果なのか。政治でそこまで急に変わるのか。驚きもあるが、現政権はアマゾンの熱帯林保護をかかげ、環境政策自体に力を入れているという。

自然の大切さは、だれもが頭ではわかっているだろう。けれども、いつでもどこでも、政治経済、地域社会や文化など、いろいろな事柄が複雑に絡み合ってきた。取り沙汰されている明治神宮外苑の樹木伐採はどうなるだろうか。明治神宮の森は、まっさらな土地に一からつくられた。およそ100年後に森になることを想定して。

一個人ではなすすべがない。そんな無力感にもおそわれることもある。そんなとき、いま奮闘している人たちを応援することも励みになるかもしれない。そして、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』のページをめくるのもいい。自然保護と公害告発の先駆となった世界的名著『沈黙の春』の著者が、最後のメッセージとして世に送り出した一冊。子どもたちが自然にふれながら、自然の美しさや神秘に目を見はる感性の大切さが語られている。それは子どもだけにかぎらない。大地と人間はつながっているということを体感すると、あらたに感性が息吹いてくる。もともと備わっている本能的な感性があるにちがいないから。

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