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写真・アート・カルチャー
海風に色かがやく芸術祭 〜 アマゾンの森が燃えている
シーサイドラインの駅を降り、海風に誘われるまま小道を行くと、そこが海の公園だった。日曜日の午後、多くの人でにぎわっていた神奈川県の金沢文庫芸術祭。今年でもう24年目だという。 9月も半ばなのに、真夏のような日差し。作品や飾りが色とりどり、太... -
センス・オブ・ワンダー
「写真に感情移入ができない」時代?
「子どもが戦争写真に感情移入できない」。ネットでたまたま流れてきた文字が目にとまった。見出しがあったYoutubeをクリックすると、VR最先端の話だった。 PIVOT [EXTREME SCIENCE]【VRは人間の想像力を拡張できるか】 https://www.youtube.com/watch?v=V... -
センス・オブ・ワンダー
「和敬清寂」なぞからの備忘録と写真
「それはちがいます」。茶道教室の一間に大先生のきびしい声が響いた。和敬清寂の本意はなんですか? 茶道の心得でもあるその問いに、生徒たちが答えていく。「和」と「敬」は、和みに敬い。文字通りに、peaceにrespectをつくす心。大先生はそれをよしと... -
センス・オブ・ワンダー
国際森林デーに想う〜アマゾンの森とセンス・オブ・ワンダー
3月21日は国際森林デーだという。2013年の国連総会によって決議された国際デー。今年は木曜日だったこともあり(#tbt=throwback Thursday)、これまで足を運んだアマゾンを思い出しながら想いをはせた。 いろいろな樹木の息遣いが濃密に感じられる森、雨上... -
センス・オブ・ワンダー
センス・オブ・ワンダー 〜 初春月・梅見月2024
『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンが最後のメッセージとして世に送り出した『センス・オブ・ワンダー』。そこでは、子どもたちが自然にふれながら、自然の美しさや神秘に目を見はる感性「センス・オブ・ワンダー」の大切さが語られている。 自然にふ... -
撮影余話
アイスランドの大地〜立春の回想
暦の上では立春を迎えた。その翌日に、関東にも降り始めた本格的な雪。吹雪く空を仰いで、冷気が肺にしみいると、10数年前におとずれたアイスランドを思い出した。 雪にふちどられた灰色の、切り立った岩山がきわだつ北西部の町イーサフィヨルズル。海辺に... -
撮影余話
龍雲のごとく
昨秋のある午後、青空にふしぎなものが“いた”。空がひらけたところを歩きまわり、手持ちのスマホで写す。うねるように長く伸びる白い雲。気流にのって勢いよく駆動しているかのよう。まるで天空を自在に泳ぎゆく生きものみたい。それは、そう、龍雲、ドラ... -
写真・アート・カルチャー
アートに呼び覚まされて
やきもので知られる常滑。少し前、初めて訪れる機会があった。中部国際空港セントレアも近く、海外からの観光客が行き交う。そして、常滑駅すぐの「とこなめ招き猫通り」には、陶芸作家たちによる「ネコ」の作品がずらり。 見目形も様々に、ユニークな作品... -
撮影余話
“土地の記憶”と移り変わり 〜 生野での写真教室をへて
秋晴れの休日、大阪の生野区で子どもたちとの写真教室に参加した。撮影場所は御勝山南公園。黄色、オレンジに赤。紅葉が色あざやかに、青空に、そして、枯葉の地に映えていた。 落ち葉を集めては放ったり、水に浮かべたり。シャッターを押す子どもたちも、... -
撮影余話
「世界こどもの日」11月20日
11月20日は国連による「世界こどもの日(World Children’s Day)」だそう。さまざまな国がこの日を「こどもの日」に定めているが、多くの国ではそれぞれ別の日にちを「こどもの日」にしている。 日本は5月5日。そして、トルコは4月23日、インドネシア7月23... -
撮影余話
“人間って、ステキ” 〜 モザンビークの歌声に踊り
これまで訪れたところでは、どこでも魅力的な人たちに出会った。なかでも、何気なく“人間って、ステキ”と感じさせれることが重なったのは、アフリカのモザンビーク。どうステキだったのかというと、たとえば、こんな具合… 中部地方を車で移動していたとき... -
写真・アート・カルチャー
インドの女性記者たちとブラジルのデモで見た女性たち
ドキュメンタリー「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」鑑賞を機に(このミニ鑑賞記はこちら)、つづけていくつか観た。その一つが映館館の上映告知で知った「燃え上がる女性記者たち」 (2021年インド・原題Writing with Fire)。スマホ片手に、弱い立場にいるインド... -
写真・アート・カルチャー
ドキュメンタリー「銃と鉛筆」「世界のはしっこ、ちいさな教室」ミニ鑑賞記
ひさびさに映画館へ足を運んだ。それも久しぶりのドキュメンタリー鑑賞。何かとネット視聴が増えているなかで、心に響くものがあったので、書き残すことにした。 「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」 「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」(@東京都写真美術館は終了。他府... -
撮影余話
敬老の日とウズベキスタン
9月の第3月曜日は敬老の日。いつもは見過ごしていた、にっこり笑顔の小物に目がとまった。冷蔵庫に磁石で張り付いていた“おじい人形”。ウズベキスタンに行ったとき、地元の人からもらったもの。民族衣装を着て帽子を被った、彼の地のアイコンのような焼... -
撮影余話
天空のギフト
先月8月最後に、夜空に「スーパームーン」が輝いた。 うっすら雲がかかっていたものの、見事な月明かり。「スーパームーン」は、地球から最も遠い時の月と比べると14%も大きく見えるという。そして今回はそれも「スーパーブルームーン」。ひと月に2回の... -
ブラジル
タンボール・ヂ・クリオーラ〜魂の鼓動
ただ、一度しか見ていないのだけれど、記憶に残りつづけるものがある。その一つがブラジルの「タンボール・ヂ・クリオーラ/tambor de crioula」、北東部マラニャン州サン・ルイスで見た伝統的なパフォーマンス。 マラニャン州というと、今では、広大な白... -
撮影余話
岩に顔をみる〜パレイドリア現象
冒頭の写真は、何に見えるでしょうか? 「はばたく鳥」みたいですよね。 次の写真はどうでしょう? 2つの岩…… なんだか、顔が向き合っているみたい。撮影したときも、あとから見ても、まるで、にらめっこしているように見えてしまう。 では、次はどうで... -
撮影余話
見えない小さな虫たち
イチッ! 足先に走る鋭い痛み。みると、足の指に頭がでかいアリが食らいついている。足を振っても、ちょっとやそっとでは落ちない。なんとか引き離したものの、しばらく痛みが残った。南米アマゾンの奥地。噛まれるとものすごく痛いという、3センチほ... -
撮影余話
グレーゾーンの記憶〜 80年代、西新宿都市風景
古い写真を整理していたら、80年代のモノクロプリントが出てきた。西新宿界隈のもの。初めてカメラを買い、写真を始めたばかりのころのスナップ。 いまの都庁のあたりは、当時はまだ空き地で、風通しのいい空間があった。ジャズの路上ライブ、少年野球... -
著作関連余話
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その3:ブラジルって、いいな 〜 日々の暮らしから
*写真絵本『世界のともだち3 ブラジル』の簡略紹介 *『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して*『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その2:ブラジルって、いいな〜学校と教育から ブラジルの「いいね」はいろい... -
撮影余話
「ああすればよかった」〜撮影以前の大切なこと
撮影や取材にのぞむにあたって、いろいろと手はずがある。海外の場合には、言葉の問題から、情報収集に通信や交通、リスク対策、そして、現場でのもろもろ調整にと、あれやこれやと。事前の計画だって急に変わることも多い。何度か足を運んだところであ... -
著作関連余話
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その2:ブラジルって、いいな〜学校と教育から
*写真絵本『世界のともだち3 ブラジル』の簡略紹介 *『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して リオの小学生の一年に寄り添って撮影取材した写真絵本『世界のともだち 3 ブラジル』。その主人公... -
著作関連余話
『世界のともだち3ブラジル』取材余話〜その1:ブラジルの“ふつう”を探して
*写真絵本『世界のともだち3ブラジル』の簡略紹介はこちら ブラジルの小学生を取材するにあたって、最初わくわくした。それまでに出会った、人懐っこく好奇心いっぱいの目を向けてくる子どもたち。彼らの無邪気な笑顔が浮かんだからだった。それからい... -
撮影余話
視線入力でシャーマンを撮影 〜 90年代アマゾンの森
日が落ちて、あたりはすっかり闇に包まれた。どこからか聞こえるせせらぎと、虫の音が体に溶け込んでいく。ペルーアマゾンの奥まった村から、さらに入った森の片隅。呪術師とその家族が儀式をするというので、たのんで同行させてもらい、撮影にのぞんだ...