先月8月最後に、夜空に「スーパームーン」が輝いた。
うっすら雲がかかっていたものの、見事な月明かり。「スーパームーン」は、地球から最も遠い時の月と比べると14%も大きく見えるという。そして今回はそれも「スーパーブルームーン」。ひと月に2回の満月がめぐることを「ブルームーン」といい、その2回目(「ブルームーン」は諸説ある由来からで、色がブルーに見えるわけではない)。
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ズーム400mm手持ちで写してみた。月だけアップの、どこで写したかはわからない絵柄をさらにトリミング。うっすらと月面に浮き出る模様を見ながら、別世界に想いを馳せる。月うさぎの話と、かの地の開発計画… 未来の人は、月を見て何を思うのだろうか。
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カレンダーなどにも記されている満月とちがって、虹の予測はむずかしい。これまで虹と出あったのは、どれもたまたま。ただ、雨上がりに日差しがでると、太陽を背にした方角を見る。そうすると、ラッキーな時には、天空の七色に出あう。弧の一部だったり、空いっぱいにかかっていたり。数年前の夏には、二重になって現われた。虹の大きな弧をとらえるには、やっぱり広角系のレンズが出番となる。
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虹ではないけれど、太陽のまわりに、虹のような光の輪ができることもある。
ハロとか日暈(ひがさ)と呼ばれている現象。これが見られるときは、天気くだり坂のサインだとか。今年の夏、このハロに出あった。その時の手持ちはスマホのみ。なんとかギリギリ、そのフレームにおさまった。
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写真撮影のゴールデン・アワーといわれるのは、日の出と日没の前後。だいたいその1時間くらいの時間帯だ。そもそも人は、山に登って朝日を待ちわび、山頂からご来光をのぞむ。海からの初日の出を拝み、夕日の丘とか夕陽の浜とかに足を運ぶ。 *上の写真は、朝日@神奈川
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やっぱり人は本能的に、朝日や夕日に惹かれるのだろう。なんてたって、大いなる自然のリズムとその息吹を感じることができる。日々の営みに溜まった澱のようなものから解き放たれ、生きかえるような心地がする。
*上写真左:夜明け@神奈川 右:夕日@鹿児島
心に刻まれた光景の一つは、オーストラリアの砂漠地で見た朝焼け。冬場の、寒く乾ききった大地に、澄み渡った天空が色を変えゆく。頭の中で、”Darkness / Earth in Search of a Sun”が鳴り響いた。Jeff Beck with The Jan Hammer Groupのアルバムに入っていた曲。今年、ギタリストJeff Beckは他界してしまった。けれども、音源は次世代へと引き継がれていくのだろう。
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日の出も夕日も、ふだん街中では建物などに遮られて、その姿がみえないことが多い。それでも、たまには、天空に、虹だったりハロだったりが現れる。毎日、空を見上げてみると、ラッキーな出あいがあるかもしれない。