昨年の夏にでかけた久しぶりのブラジル。街を歩くとパッと目についたのが、ビルや街路の壁面に描かれたアート。デザインも色もとりどりに、以前に増してストリートアートがすっかり文化として定着した感じ。
リオの湾岸エリアには五大陸を象徴するという人物群像の巨大な壁面画。世界的アーティストKobraの作品。その一方、石畳の路地でたまたま出くわしたのはハート型のハグ。古びた壁から彩あざやかに浮き立つ。それも穴に育つ草を心臓に見立てたかのような仕上げ。ちょっとした出あいに心がはずむ。スプレーで書きなぐったような落書きも多いけれど、よしあしは別として街にエネルギーを放つかのよう。
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ただし、サンパウロの目抜き通りアベニーダ・パウリスタの名所はちょっと意外なことに。Kobra作のオスカー・ニーマイーヤー像は完成から約10年。少々色褪せた壁画を望遠レンズで見ると、あちこちにバッテンの印が…… 壁面の修復が必要な箇所らしい。そして、そのビルの足元に位置するジャパン・ハウスにも変化が… 2017年に開設された日本の文化を世界に発信する拠点の一つだが、シンボル的なデザインの木組みが時を経て古色が際立つ風情に。メインテナンスにも創造や工夫が生まれるのか、それもまた楽しみではあり。
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